扇沢から針ノ木峠・ザラ峠2つの峠を超えて、立山へと抜ける山スキークラシックルート。スキーの機動力を活かした美しく無駄がないルートだ。
山スキーを始めた頃からのあこがれのルートで、ひそかに今シーズンの目標にしていた。偶然にも同時期に同ルートを計画していた、かなこさん・ふーとさんと合流して、賑やかな4人パーティでの山行になった。
1日目
前夜は、自宅でめぐの持ってきた近江牛ハンバーグを食べ、早朝出発。日向ゲートから扇沢まで、サンダルで2時間弱歩く。気温が低く、手足がキンキンに凍える。
扇沢からは、ひたすら針ノ木峠へとハイクアップ。ちょいちょいアイスバーンが混じり、最後の100mくらいはシートラアイゼンに切り替えた。かなこさんはシールのまま登れていたので、ビビらずにそのまま行けばよかった。
針ノ木峠から針ノ木本谷までは、標高差600mの滑走。泊まり装備を担いでおり、やや引っかかる雪質なので慎重に滑る。パッとしない天気だが、開放的な谷を広く使ってシュプールを描いていく。本谷出合付近は沢が出ており、何度か板を脱いだ。
針ノ木本谷を、みんなでルーファイしながら暫く下ると、本日の目的地である黒部湖が見えてくる。湖と言っても、冬の黒部湖は雪の平原に浅い川が流れているだけなので、水を湛えた夏の姿とのギャップに驚かされる。
2回渡渉をし、中ノ谷手前の水場で幕営。私は、めぐさんお手製の渡渉用ビニール袋を使って渡渉したので、大して濡れなかった。しかし、同じ道具を使った、ふーとさんとめぐさんは普通に浸水していた。素早く渡らなければ意味がないようだ。かなこさんは気合の裸足渡渉。
中ノ谷手前の水場で幕営。4人用テントで宴会をするのは久しぶりだったので、とても楽しかった。かなこさんのザックからは、どんどんツマミが出てきて、ご相伴にあずからせていただいた。










2日目
夜間から未明にかけて、5cmほど降雪があった。小雪舞う中、ヘッ電スタート。すぐに中ノ谷に入る。雪が少ない年は、ゴルジュを高巻きしなくてはならず、黒部横断の核心になる。今回は雪はたっぷりあるので、恐ろしげな雰囲気でデブリもあるものの、意外とあっさり通過してしまった。
ゴルジュを抜けると地形は開け、あとはダラダラと長い斜面をザラ峠へと詰めていく。非常に気温が低く、手袋をフル装備してもストックを握るのが辛い。カリカリの上にパウダーが乗っているので、斜度によってはやや滑るが、概ね快調にシールでザラ峠まで登ることが出来た。
ザラ峠直下のガリガリゴツゴツ区間を、横滑りでやり過ごし、いざドロップ。スネくらいまでの深さの軽いパウダーで、スピードの出る良い斜面。文句なしだった。リグループポイントが少なく、Co1950mあたりまで標高差350mを一気に落とし、しばらく放心した。
青空の中まだ生きているパウダーを滑走し、常願寺川沿いの林道へ入る。日が高くなり、雪が重くなってくると修行タイムに突入。堰堤沿いをルーファイしながら延々と横移動していく。黒部横断経験者のかなこさんのルーファイに助けられた。
無心で足を進ませること4時間以上、やっと立山駅に到着。扇沢からここまで、スキーでやってきたという実感が、じわじわと湧いてきた。
下山後は寿司をしこたま食べて、後部座席で爆睡した。












感想
前日までにそこそこ降雪があり、旧雪との結合がやや不安だったが、メンバーと相談し、総合的に判断して決行を決めた。自分だけでは、エスケープルートや積雪コンディションの判断にだいぶ悩んだと思うが、経験豊富なメンバーから勉強させていただいた。
ハイライトはやはりザラ峠からのロングラン。斜度、雪質ともに文句なしで昇天した。
ローライトは常願寺川沿いの長い道のりだが、立山駅についた瞬間の達成感を味わうためのスパイスだと思えば良い。
メンバーのヤマレコはこちら
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7883150.html
ギアのふりかえり
滑走具|Fisher Ranger 102 + ATK Raider 13 Evo
登りも滑りもそこそこイケるセット。ザラ峠上部はドパウだったので、もう少し太い板のほうが楽しめたであろう。センター110くらいで滑走性と軽さがちょうど良い板がほしい。
焚き火缶(中)
SOTO ウインドマスターとセットで使用したが、背が高いので不安定。テント内でブチこぼしてあわや大惨事であった。ふーと&かなこはジェットボイルだったので、安定していて湯沸かしも早い。
反省を活かし、次回泊まり山行からはジェットボイルを購入した(めぐさんが)
セームタオル
吸水力が異次元で、絞ったらほぼドライになるので色々重宝する。私は基本的に、沢でもBCでもセームタオルを持っていくことにしている。今回のお湯ブチこぼしの際も、とても役に立った。シールを貼る前に滑走面の水気を取ったり、ツエルト内部の結露を拭ったり、地味に便利。
ミズノの水泳用セームタオルを半分に切って持参している。
山行概要
日時:2025.3.8-9
メンバー:ふーと、かなこ、めぐ、きむ
行動記録:
1日目(曇)
04:06 日向ゲート
05:45 扇沢駅
11:10 針ノ木峠
12:21 針ノ木谷出合
14:53 黒部湖 幕営地 着
未明にかけて雪
2日目(雪のち晴れ)
03:32 黒部湖 幕営地 発
07:47 ザラ峠
13:50 立山駅
