沢登りとたわし
沢登りを始める際に味わうカルチャーショックはいくつかあるが、ギア関係で驚かされたのは”たわし”を携行するということだった。
ぬめりを取るために必要と言われ納得したが、それでも、山にたわしを持っていく、というのはなんだか奇妙な感じがしたものだ。
今ではすっかり相棒となっているこのたわしについて、私なりに種類や使い方についてまとめてみよう。
たわしの用途
ご自宅では、食器や靴などを洗うのがたわしの主たる用途だが、沢登りにおいてはホールドを磨くのがメインだ。(もちろん泊り沢で焚き火缶を洗う際にも使う)
ヌメヌメのホールドも、たわしで磨いてあげることで安心して手足を置くことができる。特に登攀の場面が多い沢では、たわしの有無でかなり安心感が変わる。個人的には忘れた日にはかなりショックなほどだ。
たわしの種類

自分の周りでよく見かける沢ヤのたわしは3種類。亀の子たわし、プラスチックたわし、金たわしだ。
柄つきの金属ブラシなどを使っている人もいるようだが、すぐに消耗したりヤブに引っ掛けてなくすので、入手性が良いものを使っている。
私が一通り使ってみた感想を以下の通りまとめてみた。入手先は主に100均。
| 磨き力 | メリット | デメリット | |
| 亀の子たわし | ◯ | ・磨いてるときの感触が良い ・紛失しにくい | 磨き力が弱め |
| プラたわし | ◯ | ・形状のバリエーションが豊富 | ・毛が寝やすい ・ハズレ製品もある |
| 金たわし | ◎ | ・磨き力が非常に強い | ・ヤブに引っかかって紛失しやすい ・耐久性低い |
個人的お気に入り度は、金たわし>亀の子たわし>プラたわし。
金たわしの良いところはその圧倒的な磨き力。これは他の製品と比べて明確に違いがあり、少ない労力でかなりのフリクションを得られる。ただ一方でヤブに引っ掛けて無くしやすかったり、ちぎれてだんだん小さくなっていくので、交換頻度は高め。
次点の亀の子たわしは、金たわしに比べると磨き力は少し劣るが、磨いている感触が気持ちよく、紛失もしにくいのでバランスが良いと思う。
プラたわしは、私の出会った製品はクセがついて毛が寝やすくてすぐにお蔵入りしてしまった。製品間で使用感の違いが大きいので、良いモノもあると思う。
本当に個人で好みが分かれるので、私の沢仲間が使っているたわしも結構マチマチである。(やや亀の子勢が優勢か。)
たわしの携行方法・使い方
普段私が使うたわしには、種類にかかわらずゴム紐とアクセサリーカラビナを付けている。
どちらも百均で手に入る。ゴム紐は手芸用よりも太めの髪ゴムのほう耐久性が高い。また、切って使う長いタイプのほうが加工しやすい。



なぜゴム紐なのかというと、手首や腕につけっぱなしにすることができるからだ。
普通の紐だと登攀時にいちいちハーネスから外さなくてはならないが、ゴム紐なら手首に通しておけば、ちょっとやそっとでは外れることはなく、必要なときにすぐに磨くことができる。
紀伊半島彷徨クラブでは、このカスタムたわしを”アルパインたわし”と読んでいる。このやり方は、私が沢登り始めたての頃に教わったのだが、意外とメジャーではないらしい。彷徨クラブに持ち込むとみるみるうちに浸透し、”アルパインたわし”と呼ばれるようになった。
とても合理的な工夫と使い方だと思うので、もし知らない方がいれば試して見てほしい。
まとめ
今回は沢登り特有の道具である、たわしについてまとめてみた。文中にも書いたが、たわしの好みは個人によって結構違う。今回の内容も、私個人の所感や私の周辺のコミュニティの傾向をまとめたに過ぎないので、「俺のたわしこそ最強!」と思う読者もいるだろう。
また、地域によって沢の環境も異なるので、ひょっとしたら「沢ヤのたわしの地域性」なんてものもあるかもしれない。
道具は常にアップデートしていくものなので、「我こそは最強のたわし」という方がいらっしゃれば、ぜひご教示いただきたい。
